関節痛~股・指・肘・膝などの症状と原因

手根管症候群

 

 

毛根管とは手のひらの付け根にあり、靱帯と骨で囲まれた長さ3cmほどのトンネル状の空間です。首から伸びている正中神経が、この中を通っています。管の中の圧力が何らかの原因で高まると、中を通っている神経が圧迫されて、末梢にある指などがしびれや痛みを感じるようになります。

 

 

このしびれや痛みは常時あるわけではなく、夜間に強く感じることが多いようです。基本的には、親指から薬指半分までの手のひらがしびれる場合が多く、手の甲はしびれません。

 

 

手を振ると少し楽になります。人差し指、中指、薬指の3本の指がしびれる症状が出たら、まず手根管症候群の疑いが濃いと考えられます。同じように手や指を酷使した結果発症する職業病として腱鞘炎が知られていますが、腱鞘炎で痛むのは手首の付け根部分であり、指先だけがしびれることはないため、簡単に見分けることができます。

 

 

単なるしびれと思って放っておくと症状は徐々に進行しいていき、末期症状では親指の付け根の膨らみがへこむ奇形にまで発展します。

 

 

この毛根管症候群は、長期にわたって血液透析を受けている人に多い傾向があります。これは、透析によってアミロイドという物質が管の中の組織に溜まるためです。その他、手首の骨折による管の変形や、パソコンのキーボード操作など頻繁に手を使う仕事でも起こります。

 

 

男性1に対して女性6の割合で発症しますが、女性に多く見られる理由は手根管の隙間が男性に比べて狭くなっているためです。さらに、妊娠や閉経期のホルモンバランスの変化でも炎症が起きやすくなるようです。